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「翠の場合は一般的なアルビノのような白髪に赤い目ってわけじゃない。アルビノってのはメラニンの合成に必要な遺伝情報が欠損して起こる遺伝子疾患なんだ。でも翠は髪の毛と左眼が桜色だろ。しかも右眼は緑色のいわゆるオッドアイときてる。凄く中途半端な個体だよね」
「ちゅ……」
中途半端な個体とかいわれた。もう少し言葉選んでよ。
「色々調べてみたんだけど、桜色の眼ってのはなかなか例がないみたいでさ。ポイントは右眼の緑だと思うわけ」
「ふぅん……?」
確かに全員が黒髪に黒い目の家族の中で私だけが浮いている。
とはいえこんな時代だし、学校だってアメリカンスクールだから。黙っていれば髪は染めたかウィッグだとしか思われないし、目だって誰もが左右違うカラコンのオシャレだと思うはずだ。
外見で引かれたりしないから、今のところ不自由は感じない。
でもオクタビアヌスはしつこかった。
『それって自前? マジで!?』聞いてくるからそうだと言ったら、好奇心に任せてこんなことになったのだ。
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