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別の朝。
今日もオクタビアヌスは資料とウェブに睨めっこしている。
「溶けるよ?」
今朝の朝食の礼がわりに出してやったレモネードの氷が、しゅうしゅう音を立てながら身持ちを小さくしていく。
上の方はすっかり水になっている。
「緑色の眼なら僕もお父さんの実家の方でーーあ、ギリシャって言っても島ね。クレタ島なんだけど、見たことあるよ。親戚にもいた気がする」
「そうなんだ?」
「桜色と違って緑は珍しくないからね。一民族がまるっと緑眼っていうところもあるらしいよ。うちの学校にもわりといるよね?
ヴェルヘルムとか、ローレンツ、ガブリエッラもそうだし、ティアナとかアリアネもそうだ」
ペンを取り出してノートにきゅきゅきゅっと書き付ける。
ヴェルヘルム→ノルウェー
ローレンツ→デンマーク
ガブリエッラ→スウェーデン
ティアナ→ドイツ
アリアネ→オランダ
「この中にヒントがあるかもしれない!」
というわけで、次の月曜日に上記のみんなと図書館に集合することになった。
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