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少女の言っていることは分かる。魔王は本気でこの星を滅ぼそうとしている、止めなくてはならない存在だ。俺はゆっくりと椅子に戻って座った。
「でもな、くぇrちゅいおp。次のイベントを進めない限りこれ以上魔王がエネルギーを吸収することはないよ」
「え?なに?イベント?」
「だから!とにかく改名をしよう!!」
戸惑う少女を無視して俺は言い切った、彼らは互いを見合わせていたが。勇者のいうことだから仕方がないと息を吐いた。
「分かったよ。お前の言っていることはよく分からないが、それほどにまで固執するんだ。何か意味があるのだろう」
「好き、ありがとう」
今のはプログラムに打ち込まれている言葉、回避不可。自分の意思で動こうとしているのにたまに曲げることの許されない世界のルールが俺たちを縛る。
「いいさ、オレとお前の仲だろう」
好きは眩しいほどの笑顔を見せた。情報収集をするにはまず酒場。俺たちは宿で一泊し、朝になってから行動を開始することにした。
鳥の声で俺は目を覚ます、寝起きのいい俺は今日も朝から冴え渡っている。ベッドから降りてもシーツは皺ひとつなくぴしっと綺麗なままだ、俺の寝相がいいからではなくこれがこの世界の理だ。部屋から出て仲間と合流して宿屋の階段を降りる。
「おはよう、勇者さん。今日も朝から早いのね」
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