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家に帰り部屋の中に足を踏み入れると、
むわんとした空気に、やっぱり暑かったよねーと、誰にでもなく同意を求め、その決して心地よくない蒸した部屋になんとなく納得する。
そして、あまりの肌寒さにコンビニで調達したおでんが、とても残念な感じになってしまったが、おでんに罪はないとテーブルに置いて、窓を開けて換気をする。
そして、外から入ってくる心地の良い夜風が、なんとなく心寂しく感じた。
テレビをつけると、月見バーガーのCM。
それを見て、あぁーだからかぁと妙に納得する。
あーぁ、今年も夏が終わったなぁ。
そう思い始めたのは、大学の頃から。月見バーガーの季節になると、人肌寂しく感じる。
今年の夏も、なんの出会いもなく、一人寂しく秋を迎えてしまったんだなと実感する。
そんな季節が、この月見バーガーの頃で、私の中では月見のさみしい病と名付けられている。
南の島に旅行に行った訳でもなく、夏フェスに行った訳でもなく、近所の花火大会にすら行ってない。
夏らしいことなんて皆無で、はなから夏の出会いなんて期待していた訳でもないが、この夏から秋への変わり目の秋風が吹く頃は、なんとなく気分が落ちるのだ。
子供の頃から、体に染みついてしまっているものなんだと思う。
甲子園の決勝戦の話題で、テレビが賑わう頃になると、夏休みも残りわずかだと寂しさを覚える。
24時間テレビで、チャリティーマラソンのゴールが終わると、いよいよだなと焦りを感じる。
それは、働き始めて、夏休みなんて関係なくなっても、なんとなく続いていて、それが夏休みから夏の出会いに対象がスライドしただけのような気がする。
そして、月見の頃に、今年の夏も終わったと決定づけられる。
あれだな、マンデーブルー。
別名、サザエさんシンドローム。
日曜日の夕方になるとブルーな気分になるという。休みも終わったなぁ、明日から学校だなぁと思って。
それの長期休みバージョン。
気温が下がって、本当に肌寒く感じるものだから、気持ちにまで隙間風が吹くようで、余計にブルーに感じるんだよな。
おでんでも食べてあったまろう。
そう思って、久しぶりにおでんを頬張るが、やはり心までは温まらなかった。
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