無愛想な彼

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「はーい。じゃあ、希望が出そろったので、みなさん自分の席に戻ってくださーい」  多田くんがぱんっと手を叩く。私は逃げるように自分の席に戻った。  なんで? どきどきする。  かわいいって言われただけで。それも、言ってた「らしい」ってだけで、自分で聞いたわけじゃないのに。私、気にしすぎだよ。  話し合いはどんどん進み、結果、私は希望通り「ナレーション原稿作成係」になった。  しかも、羽村くんとふたりで。ふたりだけで!  ホームルームが終わったあと。羽村くんは私の席にやってきた。 「宮田さん」 「は、はいっ!」  声をかけられただけで、びびってしまう。羽村くん、まったく笑ってないんだもん。 「文化祭。大変そうだけど、がんばろうな」 「は、はいっ……」  これから文化祭当日まで、ふたりで作業するんだ。私、大丈夫かな?   
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