第1章

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ある日。私たちに来た任務は実に簡単で、実に難しいものだった。 曰く「潜伏中の烏どもをぶちのめせ」。 それに出向くのはオネェ……陽月とお子様……りこ、そして私。 陽月の能力もりこの能力も知ってるけど、この中で前線を張れるのが私だけ、と言うのがなんとも不確定要素だ。 非常に調整が難しい私のチカラは、前線は貼れても失敗のリスクが強い。 そんな事を考えつつ、烏どもが居るであろう区域に到着。 周囲をブロック塀に囲まれたエリアで私だけが止まり、りこと陽月には遠ざかってもらう。 そして── 「クソ雛鳥ども!!!!!私はここに居るぞッ!」 咆哮一発。そして、力強く地面を踏み締める。 ドンッ!!!!! 恐ろしい音が響き、周囲のドラム缶やらが軽く浮き上がり、チャラチャラした格好の奴らが飛び出してくる。 ただ生きていたい、そう願う私たちを勝手に狩ろうとするクソみたいな連中だ。 その数は6。 「遅いっ!」「げぁっ!??」 飛びかかってきた男の腹に蹴りを入れ壁へと吹き飛ばす。 派手に吹き飛んで真っ赤な花を咲かせながら呻く男から目を離し、後ろから来ていた奴の腕を掴み、背負い投げの要領で地面へと叩き付け、軽く跳躍。 勢いを付けて無防備な腹へと着地。 諸々吐き戻して痙攣するそいつに蹴りを入れ目の前に迫っていたもう1人ごと奥の金属製のゴミ箱へ蹴り込む。 ボキゴキバキ、とえぐい音を立てて蓋が閉まったのを見届けて 「チッ、3匹潰すのに時間かけ過ぎたな」 くるり、と振り向けば更に追加で何匹か。 私のチカラは制御が難しい、全部落とすまでに制御に失敗なんてしたら 「わぁ!?」 「このガキ避けやがった」「回り込め!」「おい女のガキだぞ」「両手足折ってマワすか!」 少しばかり別の事に気を取られた隙に4匹が一気に飛びかかって来た。 なんとか跳躍して逃げるも、さすがに連携が取れた奴らで少々分が悪い。 だから
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