第4章

4/26
前へ
/110ページ
次へ
「池ちゃん?」 ソファーにもたれたままの彼が、私の頬に手を伸ばした。 「はい…」 「一つだけ、聞きたいんだけど…」 彼の指が、私の頬から顎をツーッとなぞらえた。その動きにビクンと反応してしまう。 「俺のことからかってたわけじゃない…よね?」 「違います!そんな…だって…私は…」 「私は?」 彼がグイと私の顔を自分の方へ向かせた。 今まで見たことのない彼が、怖いぐらいの表情で私を見つめている。 もう観念するしかない…。 「ずっと、あなたが好きでした…」
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

112人が本棚に入れています
本棚に追加