第4章

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私が、言い終わるか終わらないうちに、彼が私の唇を塞いだ。 「ん…んん…」 両手で私の頬を抑えたまま、激しく唇を重ねる。抵抗しようとしたが、今度は頭と腰を引き寄せられ、身動きが取れなくなった。 その間にも、彼の舌は容赦なく私の舌をとらえ、熱く絡まりつく。熱を帯びた唇が、私の体をも熱くさせ、吐息が漏れる。 「あ…」 そのままソファーに押し倒され、彼の唇が首筋へと落ち、手のひらが胸のふくらみを探る。 「あ、あの…。ちょっと…待っ…」 私が言葉を発すると、それはいとも簡単に彼の唇で塞がれ、その間にも彼の手が胸から腰へと降りていく。 「ちょ…あの…にのみ…やさん…」 私は思わず身をよじって顔を背けた。 「なに?」 彼が、動きを止めて私を見た。
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