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「あの…私…愛音じゃないですよ…」
私を見下ろす彼の顔を見ながら、恐る恐る言った。
「知ってるよ…」
彼は、ぼそりと答え、また口づけた。今度は私に言い聞かせるように、優しく頬に額に。
「あの…でも…私…嘘ついてて…」
「うん…」
体をよじりながら彼の愛撫にやんわり抵抗する。
「二宮さんが…愛音の…こと…探して…たのに…」
「うん…」
私の抵抗が無駄だとでも言うように、彼は器用に私のブラウスのボタンをはずし、露わになった首筋に舌を這わせていく。
「それに…私…結婚のことも…言って…なくて…」
「ん…」
彼の返事が曖昧になっていくにつれ、ブラウスのボタンはすべて外され、唇は首筋から胸元へ移り、下着の上から胸を揉みしだかれる。
「あの…だって…こんな格好…だし…あの…シャワーも…浴びて…ない…し…」
絶え絶えの息の中、私の拒む理由もおかしくなっていく。
「それに…あの…」
「もう!なんなの?」
ついに彼が耐え切れず、呆れた顔で私を見た。
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