第4章

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「透に、彼のことを話したほうがいいでしょうか…」 「それは、止めたほうがいいでしょうね」 マスターの表情が少し険しくなった。 「でも…私に負い目を感じているなら…」 「池ちゃん?」 いつになく厳しい表情でマスターが私を見た。 「男は、だらしないくせにいつでも優位に立っていたいんです。要するに子どもなんです、いくつになっても」 マスターは、そう言って肩をすくめた。 「そう…ですか…」 確かに今さら私も透と同罪なのだと打ち明けても、誰も幸せにはならないし、ただの自己満足に過ぎないのだと思う。 「結局、君への贖罪が越くんに前を向かせるんです。だから今は、君も自分の幸せを考えなさい」 マスターがグラスをクルクル回しながら、ほほ笑んだ。 私の幸せ…。 マスターが言ったその言葉に、私はまた胸が熱くなった。
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