第4章

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「そういえば…」 私は、ずっと疑問に思っていたことをマスターに尋ねた。 「私が風邪で休んだ日、彼もお店に来ましたよね?いったい何を話したんですか?」 マスターはグラスの曇りを確認しながら、うーんと唸った。 「そうですねー。それはまあ、男同士の秘密ってことにしておきましょう」 マスターがグラスを照明にかざしながら言った。 「はあ…」 多少納得はいかなかったが、男は常に優位に立ちたいものらしいから、私に知らないことがあった方が都合がいいのだ…と思うことにした。 「和さんは…大丈夫でしょ?おそらく…」 「はい…」 「彼だって男には違いないけど、意外と腹は据わってると思いますよ」 マスターはまた優しく笑った。 今まで散々回り道をした分、これからは彼と一緒に、どんなことでも乗り越えていこう…。と強く願った。
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