羽毛布団契約

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翌日、生ものの焼ける匂いで目が覚めた 少し暗い部屋から窓を覗くと春の麗らかな日差しはなく、空は翳り花時雨が静かに地面に降り注いでいた 匂いにつられそちらを振り向くとベイセルが分厚い猪肉を焼いている 人間は肉が好きだったか? 人間界に降り立ったのは1度あったかなかったかだから食ついてはよく知らない しかしその猪肉はとても脂がのっており、脂身と赤身のコントラストが黒いフライパンによく映える どこか甘さのある肉の薫りを干した草…スパイスというやつか?がより一層引き立ていた 俺は堕天使だから魔力さえあれば生きていけるが…少し興味があるな そんなことを考えているうちに出来上がったのか皿に乗せた猪肉と共にこちらへやってきた
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