外見が好みだからといって中身が好みとは限らない

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高校なんてブラック企業だと思う。 だって、毎朝8時から午後4時までは完全拘束で、たまに振替休日のないサービス残業もあるんだもの。 「ちょっと今日数学の課題テストだよ! ねえ梅勉強した?」 「な訳。 隼人(はやと)になったつもりで受けるから大丈夫」 「なにそれー」 隼人とは私達のクラスの数学担当の先生である。 おバカな生徒をこのくそがという視線でみる数学きちがいだ。 「まじ卍」 私はいまだに卍という意味が理解できない。 という私は鍵谷梅(かぎやうめ)。 まあまあ田舎の自称進学校に通う女子高校生だ。 さっきから数学の課題テストを嘆いているのはクラスの今時の子ふうな女子である。 春から高校生初心者になり、妙な緊張感があったクラスも、いろんなイベントを半年間一緒に経験し今ではすっかりたるんだクラスとなった。 だるいなー、学校休みになんないかなー。 あっ、数学の提出ノート忘れた。
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