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最強と呼ばれた勇者の結末
「行ってくる」
背中に剣を背負い、勇者は村を出た
「おう、頑張れよ!」
「きゃー! 勇者様、カッコいい・・・」
「あれだけ強い勇者様なら、魔王もすぐに倒せるわね」
そう、勇者は最強だったのだ
だが、しかし、その勇者にも唯一の弱点があった
「私が魔王よ! さぁ、どっからでも、かかってきなさい!」
「うそ、だろ・・・」
勇者の弱点、それはロリッ子が好きすぎるということ
ただし、身長150センチ以下、髪型はツインテール、10代前半の女の子
そして、美少女という条件つき
だが、魔王は、勇者の条件にピッタリすぎるほど当てはまっていた
「ねぇ、どうしたの? かかってこないなら、私から行くよ! えいっ!」
魔王はグーパンチで勇者を殴った
しかし、痛みなんか感じないほどに力は弱かった
「っ・・・」
“可愛すぎる” と、勇者は思った
が、魔王に悟られるのが嫌で、ニヤけていた口を手で隠した
「むー。痛くないの? っていうか早く攻撃して!
私のこと倒しに来たんじゃないの?」
少し涙目になっている魔王
しかも、魔王が小さく、勇者が高すぎるせいか、自然と上目遣いになっている
「うっ・・・た、倒しにきた」
魔王の上目遣いに心打たれる勇者
そういう意味では、既に勇者は魔王に敗北していた
しかし、勇者は、ある一つの疑問が浮かんだ
どうして、こんなに小さくて弱いのに誰も魔王討伐をしなかったんだ? と
「なぁ、魔王。今までお前を倒しに来た勇者はいたか?」
勇者は、魔王に聞いてみることにした
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