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「じゃあ、今から俺を知るためにも、俺の家に行こう。俺はアレン。君は?」
「わたし? わたしはアリシア!」
「そうか、アリシアっていうのか。可愛い名前だな。じゃあ、今すぐ俺の家に行こう」
既に勇者らしからぬ発言をしている勇者アレン
これが現代なら、通報レベルである
「うん! わかった。えっと・・・アレンお兄ちゃんって呼んでもいい?」
「ああ、いいぞ」
“むしろ大歓迎だ”と言わんばかりの速攻の返答
しかも、魔王アリシアも勇者アレンの家に行くと言っている
「あのね。実は・・・ママが病気で死んじゃって、パパはおかしくなっちゃったの。
それでアリシア、遊び相手が欲しかったの。でも、みんな、アリシアが魔王になったら遊んでくれなくなったの。それが寂しくて・・・」
「そうか・・・辛かったんだな。今日からは俺が遊び相手になってやるぞ」
勇者は思った
“妻が死んで、何故エ〇ゲーにハマったんだ? 他にやることがあっただろ”と
だが、しかし、そんなことはどうでも良かったのだ
何故なら、魔王アリシアがどんな形であれ、自分の家に来るのだから、と
「ありがとう! アレンお兄ちゃん!」
そう言って、ぎゅーっと勇者アレンに抱きつく魔王アリシア
その姿は、勇者や魔王ではなく、微笑ましい兄妹のようだった
こうして、勇者アレンは魔王アリシアを家につれて帰ることにした
その際、二人はある約束を交わした
それは、魔王、そして、悪に染まったものが、今後一切、村の人を攻撃しないということ
そして、二人の約束により、世界は平和になったという
おしまい
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