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05 SIDE-Ken
「どうぞ、上がって。cháoで良い? てか、cháoしかないけど」
どうやら僕に、選択肢はなさそうだ。
いやそれよりも問題はこのシチュエーションだろう。
見た処、ロアンは10代、高く見積もっても20歳前後だ。
僕もそんなところだろう、想い出せないが。
僕が記憶している一般常識からすると、素性の知らない異性を招き入れるなんて、警戒心がなさすぎないか?
「ロアン、おかえり」
奥から男性の声がした。
なんだ、そういうことか。僕は照れ隠しに苦笑いをした。
「わたし、お祖父さんと2人で暮らしてるんだ」
そう言い残し、彼女は、奥の方へと走って行った。
きっと、ただいまの挨拶と、僕を連れて来た顛末の説明をしているのだろう。
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