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27 SIDE-Ken
薄れゆく意識の中、俺はベトナムに来た日のことを想い出し、追体験していた。
当然のことだが、飛行機には、武器の持ち込みができない。
だから、武器は現地のエージェントが調達するか、自分で工面するしかなかった。
ハノイからベトナム入りした俺は、ルオンイェンターミナルから乗合バスで3時間かけて、北部のランソンへ向かった。
ここでは現地のエージェントから武器以外の物、現金や薬、IDなどを入手する。
また万が一の尾行に備えて、中継する必要があるのだ。
駅舎のタイルがアーティスティックだったのが印象的だ。
売り物だろうか、路上には大きな赤い花瓶がある。
『福』と漢字で書いてあるので、中国国境が近いという実感が湧く。
ランソンから再び、乗合バスという名の軽ワゴン車でタンタイン国境経済特区へ入る。
ここでは、中国から運び込まれた商品の取引が盛んで、武器類はここで整えることになっている。
暗殺者生活を続けていると、堅気とそうでない人間の見分けができるようになる。
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