さようなら、そしてありがとう。相棒。

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さようなら、そしてありがとう。相棒。

あー、たいくつだ。 もう1ヶ月かぁ。 代わり映えのしない部屋の天井連続鑑賞記録がどんどん更新されていくな。 あー、もうなんもやる気しない。 もぬけの空だな。 どうしちゃったんだ、俺。 どうなるんだ、俺。 携帯でも見るかな。 うぉ、LINEやば。 あ、今日バンドのミーティングだったんだっけ まーたすっぽかしちゃった。 俺、サイテーだな。 コンコン 「入るわよ!」 母の声だ。 「あんた、ふさぎ込むのはいいけど少しは部屋を片付けなさい!これとかもう、こんなものいつまでとっとくの!」 ほんと毎回躊躇なく入ってくるなぁ~。 「いらないものは捨てる!ホラ、ゴミ袋!」 ふぅ、気乗りしない。めんどくさいなぁ。 もう夜だぞ。 そういえば随分部屋掃除していなかったなぁ。 あーあ眠い。 いいや、明日やろう…。 …。 ……。 「ねぇ」 …ん? 「ねぇってば」 …なんだ? 「起きた? やぁ久しぶり」 だれだ? 「キミの懐かしい記憶」 はぁ? 「ホラ、見覚えない?部屋の隅に置いてある…」 あぁ…えぇっと… んん!? ちょ…。 どういうことだ…!? え、小学校の時の…算数セット…か!! 「思い出してくれた!?」 あぁ、でもなんで算数セット? どうみても人間だろ?     
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