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事件自体は未遂だったので、デリック側の弁護士から示談に持ち込まれ、数百万の慰謝料と、今後一切接近しないという条件つきで解決しているものの、ルシアンの両親にはなにも話していないのだ。余計な心配はしてほしくなかったのでルシアンは隠し通した。外出できなかった期間は、たまたま両親が国外にいたためスティーヴには口止めをしている。
デリックの両親とルシアンの両親がたまたま知り合いだったという理由だけで、自分の将来を決められたくはない。
「スティーヴ。僕は必ず、日本で結婚相手を見つけるから」
「……ええ、探せますよ、きっと」
こうしてルシアンの大学生活がはじまった。
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