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第四話
◆◆◆◆
月村病院に連れて来られてから、もう何日目だろう。
精神的にも体力的にも麒麟は相当疲弊していて、微睡んでは、身体の火照りと息苦しさでまた目が覚める、という状態が延々と続いていた。お陰でもう、日数を数える余裕など全く残っていなかった。
麒麟の汗と体液で汚れた院内着をやっとのことで着替えて、脱いだものは月村に言われた通り、ベッド下のカゴに突っ込み、麒麟はぐったりとベッドに横になる。
熊谷は病室に来ることはなかったものの、毎日病院に、麒麟の様子を聞きに来ているらしいことを月村から聞いていた。
会いたい…と、熊谷の顔を思い出して麒麟は素直にそう願う。
何度達しても身体の火照りは一向に治まらず、今はもう触れるのも痛くて自慰すら出来なくなっていた。
一体あとどのくらい、この苦しさが続くのだろうと、混濁した意識の中、先の見えない不安に心細くなる。
こんなにも惨めで苦しい思いをするくらいなら、いっそ死んだ方がマシだとすら思える。
もしかしていよいよ、月村が言っていたように麒麟の心も壊れかかっているんだろうかと、自嘲めいた笑みを浮かべたとき。
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