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「好きだったんでしょ? 響子ちゃんのこと」
「は? 何言って……」
「なになに? あたし? あたしはねー」
突然、絡み酒真美が割り込んできて、聞かれてもないのに勝手に喋り始める。
「いや、聞いてねーし」
麗華と俺は、声を揃えてつっこんだ。
「ちょっと! 今いいとこだったのに!」
麗華が真美の腕を掴んで睨む。
「いや、もういいんだ。で? 真美は今、何してんの?」
思わぬ助け船に感謝しながら、俺は話の矛先を変えた。
「ええっとぉ。あたしはねぇ。駅前の不動産屋でぇ……」
どうやら不動産屋の事務員をやっているらしい真美は、たどたどしい日本語で近況を語り始めた。
屈託のない性格は、今も健在である。
真美の話を皮切りに、俺、翔馬、由紀、麗華、真美の五人は、しばらくお互いの近況を報告し合った。
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