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「あ、そういえばさっき、響子ちゃんって……」
「そうそう。由紀がさぁ、変な事言って……」
麗華が声を潜める。
「中一だっけ? いなくなったの」
「ああ。確か、そんくらい」
パスタをつつきながら、俺は曖昧に答えた。
「大変だったよね。いろいろ聞かれたんでしょ?」
「まあ、隣だったし」
少しだけ、周りに視線を走らせた後、麗華は更に声を潜めた。
「で? 結局どうだったの?」
「え? どうって?」
名前からは想像できないような、愛想の良いおばちゃんみたいな麗華の顔を、俺は正面から真っすぐ見つめた。
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