祭りに向けて -Feniita-

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祭りに向けて -Feniita-

「ミーシャおはよう。」 「おはよう、アエル。」  陸に上がって5日、ミーシャは声を出せるまで回復した。アエルは毎日朝夕様子を見に来ては、町のことを話す。 「ミーシャも連れていってあげたいんだけれどね...混乱させるのも嫌だし。」 「...ねぇ、ナグゥは大人しい?元気にしてる?」  昔よりもかなり大人しい口調のなったミーシャにアエル含め皆が少しゾッとしていた。落ちたので魂変わったか?と思われるほど。  ミーシャはアエルの話を聞くといつも家族のことを聞く。誰にも言わないが、最後の馬車の中で見た家族が今も目に焼き付いているらしい。 「ナグゥは中級校の人気者だよ。今度の中級校生徒代表候補だよ。」 「本当に!?ナグゥは凄いなぁ...。」 「しかも、真面目だしね。良い生徒代表になるんじゃないかって話してるよ。」  アエルはククと笑った。ミーシャもクスクス笑う。しかし、寂しそうな顔をする。 「...会いたいな...家族に。」 「そうだよね...。7年前にパッと別れも告げられずにアッチ行きだったもんね。」 「...皆幸せに暮らしてたら良いな。私のこと引っ張らずに。」     
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