裁判 -Rdar-

12/17
前へ
/90ページ
次へ
 その頃ミーシャは地下の牢に入れられていた。地下牢にはオレンジの光が少し入っていた。ミーシャは取り乱すこともなく、牢の壁を見つめていた。シンッとした牢の中にキィキィとした声が響く。 「やだやだ!私お父さんとお母さんのとこに帰りたい!やだーー!」  落者となったリィラも地下牢に運ばれてきた。ミーシャは鉄格子を掴み、廊下の方を見る。小さい可動式の牢に入れられ、ミーシャの隣の牢に入れられる。ガチャンと閉まった牢の鉄格子にリィラがしがみつく。 「ねぇ、なんで私なの!!私死にたくないー!!」  マントの軍人はその声に耳を傾けることなく地下牢を出ていく。リィラはまだキィキィ泣く。 「リィラ...」 「うるさい!!どうせ当たり前だって思ってるんでしょ!!」 「え...いや...」  ミーシャはリィラの取り乱しかたに比べてかなり冷静だった。それが少しリィラの気に触ったようだ。 「あんた死にたくないの?!」 「死にたくないよ...。」  よく見るとミーシャの目は赤くなっていた。ずっと涙を流していたようだ。     
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加