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その頃ミーシャは地下の牢に入れられていた。地下牢にはオレンジの光が少し入っていた。ミーシャは取り乱すこともなく、牢の壁を見つめていた。シンッとした牢の中にキィキィとした声が響く。
「やだやだ!私お父さんとお母さんのとこに帰りたい!やだーー!」
落者となったリィラも地下牢に運ばれてきた。ミーシャは鉄格子を掴み、廊下の方を見る。小さい可動式の牢に入れられ、ミーシャの隣の牢に入れられる。ガチャンと閉まった牢の鉄格子にリィラがしがみつく。
「ねぇ、なんで私なの!!私死にたくないー!!」
マントの軍人はその声に耳を傾けることなく地下牢を出ていく。リィラはまだキィキィ泣く。
「リィラ...」
「うるさい!!どうせ当たり前だって思ってるんでしょ!!」
「え...いや...」
ミーシャはリィラの取り乱しかたに比べてかなり冷静だった。それが少しリィラの気に触ったようだ。
「あんた死にたくないの?!」
「死にたくないよ...。」
よく見るとミーシャの目は赤くなっていた。ずっと涙を流していたようだ。
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