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「お母さんにごはん沢山盛っててなんて言ったのにもう会えないんだもん。お父さんが言ったこと本当になっちゃったなぁ...冗談だったのに。」
ミーシャは朝のことを思い出していた。それからもどんどん思い出す家族との思い出。ポタポタと涙が落ちる。
「...私落ちたくない...!お母さんに会いたい...!!家に帰りたい...!」
「リィラ...でも、ここからは出れないよ...?」
「...うぇ...ふぇ...うぁぁぁぁん!」
リィラはまた泣き始める。それを見てミーシャも涙を流す。牢屋のなかのオレンジ色が暗くなる。日が落ちてきたのだ。もうすぐこの世から去るのだと彼女たちに実感させる。
ギギギと思い扉が開く。来た扉とは別方向の扉が開き、外の風が吹く。それと同時に牢の扉が開く。
「乗れ。」
マスクをつけた軍人が出るように促した。二人が外に出るとまた黒い馬車があった。まるで死人を乗せるような馬車。リィラはまた嫌だと叫んだ。しかし、足はなぜか馬車へ向かう。
「騒いでも無駄だからな。」
バンッと大きな音をたてて扉は閉まり、突然足首を捕まれたような感覚になる。
「キャー!!」
「うわっ!!」
足首には足枷があった。しっかりと落ちていくように重りも下がっている。不思議と今は重みを感じないようすだ。
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