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「ごめんなさい...!ごめんなさい...!」
ハウワーは馬車が開いたときから謝罪を繰り返していた。それは、ミーシャの両親を前にすると更に激しくなる。
「ミーシャ...ミーシャ...!」
「ハウワー...いいんだ。君が謝らなくても...。」
ミーシャの母親は泣き崩れ、顔を地面から離さない。それに寄り添い、目が真っ赤なユリアや泣きじゃくるハウワーが母親の背中をさする。シュン、ノイリー、アエルは呆然とするしかなかった。
「まさか...ミーシャが...」
「俺...落ちるのは俺とお前かもとか言って...」
「こんなことになるなんて思ってなかった...。」
アエルはまた涙を流す。つい昨日告白した相手が永遠に消えるなんて思ってもいなかっただろう。ここにいる誰もがミーシャが消えることを望まなかっただろう。
「なんで...なんで...ミーシャぁ...!」
母親は拳を地面に叩きつける。悔しさや悲しみ、怒り、いろんな感情が込み上げるが、どこにもそれをぶつけられない。落とした悪魔を恨んでも帰っては来ないのだ。
「キウ...ミーシャは良い子だった。それには代わりはない...。良い祭壇を家に設けような...。」
ミーシャの父親は母親を慰めようと抱き締めるが、二人の涙も囲うの5人の涙も止まることはなかった。
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