裁判 -Rdar-

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 ミーシャは左目に激痛が走り顔を上に向けた。リィラは顔を左に背けた。 「いやぁー!痛い痛い痛い!」  リィラは顔を左右に振るが、痛みがとれずうずくまる。それは逆効果のようだった。ミーシャはリィラの手を掴むことしかできず、下のリィラを見ることはできなかった。  呪文が終わると服が真っ黒に染まっていた。二人は足に力が入らなくなっていた。 「さあ、行け。お前らは用済みだ。呪人(カタラメッソ)。」  目の前の軍人が指をくるりと回すと、二人の体が海の方を向きそちらへ進んでいく。両目を押さえたリィラも足はスタスタと海へと向かう。ミーシャも痛む左目を押さえながら海へと歩を進める。そして、二人の後ろにずらりと5人軍人が並ぶ。 「じゃあな。」  その言葉を発すると同時に強い力で二人の背中を押し、【黒の(グロジア)】へと突き落とした。足の重りが【黒の(グロジア)】へと2人を引きずり込んでいく。 ドプン  重い音が海辺に響く。リィラは呼吸ができない苦しさで上へ行こうともがく。しかし、二人の体は底へ底へと引っ張られていく。  ミーシャは腕を上に伸ばし、月の光が遠退いていくのをずっと見つめていた。
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