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お化けの手 -Wi.Derata-
あれから7年の月日が経ち、ユリア、ハウワー、アエル、ノイリー、シュンは上級校─現代で言う高校のような所─に通っていた。この7年の間、海に落ちるものはいなかった。
「なあ、知ってるか?あの【黒い海】見てると白い手が伸びてくるんだってよ!名付けて【お化けの手】」
また【最後の祭】が近付く中で、ノイリーが怖い話を始めた。
「またガセじゃないでしょうね?ダメダメ新聞委員さん?」
ユリアは足を組み、ノイリーを疑いの目で見る。その机を囲うハウワーもシュンもアエルもノイリーに疑いの目を向ける。疑われるのも無理ない。
これは、半年前に【スクープ!悪魔の心臓か?!】という記事をノイリーが出したところ、警軍屋敷近くに落ちていたただの大きめの石ころだったということが噂となりノイリーはスクープを取ると疑われるようになっていた。まあ、日頃からなんでもなさそうなことを「スクープスクープ!」と言っていることも滑車をかけているのかもしれない。しかし、なんだかんだガセでも生徒たちはノイリーのネタを楽しみにしている。
「なっ!今度は本当!」
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