お化けの手 -Wi.Derata-

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 ハウワーは手がそこの高さからこちらに来ないことに気づいた。そこで、びびりではないユリアから恐怖の提案があがる。 「誰かつかんでみる?」 「は?!」  そこにいたユリア以外が全員同じ言葉を発してユリアを見た。ユリアはもう手の正体のことしか頭にない。 「ゆ、ユリアがつっこめよ!」 「シュンは私が落ちればいいと?」 「そそ、そうじゃなくてだな!」 「ここは公正にくじをしよう!いえーい!」  準備がいいユリアは紙を細くちぎったものを握っている。全員がゴクッと唾を飲んだ。 「本当にやるの?」 「うん!手だけなのか本体もあるのか!」 「引きずり込まれたらどうすんだよ...」 「助けて!」  もうこのテンションのユリアは止められない。そう悟った一同はしぶしぶユリアのくじの端を持つ。ユリアのせーのの掛け声で一斉に引いた。 「何も書いてない!よかった...!」 「はぁーッ!」 「あー!俺じゃない!」  各々安堵の声を漏らす。しかし、1人固まった人がいた。アエルだった。 「よーし、アエル!行くんだ!」 「...」  完全に固まっているアエル。バシバシとユリアが肩を叩いても動かない。シュンとノイリーがアエルの肩にポンと手を置く。 「骨は拾うから...な。」 「助力は惜しまん...。」 「ノイリー...シュン...。その言葉信じるからな...」     
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