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アエルの手を掴む白い手は何故かわからないが酷く重い。まるで上に白い手を上に行かせまいと下から引っ張られているようだ。男手3人でもなかなか引き上がらない。3人とも、掴む手に再び力を込めた。
「ぐっ...!」
「うんっ...!」
「んぐ...!」
その時、今までの重さが嘘のようにするりとその手が引き上がってきた。3人はそのまま後ろに尻餅をつく。それにつられ白い手も陸へ上がってきた。
「ひ、人?!」
「ひっ...!」
アエルは更にその手を引き、本体まで陸にあげた。その場ではアエルが最も冷静で心肺の確認等をすぐに行っていた。
「大丈夫、小さくだけどちゃんと息してる。」
アエルが皆の顔を見て話す。まだ4人は何が起こったのかわからないようで、ポカンとアエルと白い手の主を見つめる。
「そういえば、通り道に古い釣り小屋あったよね。そこに運ぼう。」
「は?!ちょ、ちょっとまて!アエル、これ持っていくのか?!」
「え?ここに寝かせておくわけにはいかないでしょ?」
「落者を連れていくのか?!」
「落者かわからないじゃないか。たまたま落ちて助け呼んでたのかもよ?」
アエルは白い手の主を抱え、歩き出す。シュンはあせあせと彼についていく。ノイリー、ユリア、ハウワーはまだ現実について行けず、二人を追いかけた。小屋に着き、白い手の主をベッドに寝かせた。
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