お化けの手 -Wi.Derata-

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 ユリアが目を細めて疑った。ミーシャは身ぶり手振り、こう壊したと表そうとするが伝わっていない。 「『お腹は不思議とすかなかった』あんなに食べ物大好きなミーシャが空かないなんてあるの...?」  ハウワーも目を細めて疑った。ミーシャは「本当だよ」と言いたげに焦っていた。 「『服は髪と落ちてるもので縫い合わせた』。お、落ちてるものってなんだよ...。」  ノイリーが何だったのかを怯えながら問う。しかし、遮ってシュンが質問をしたため流されてしまった。 「あっちには誰かいるのか?」  シュンが尋ねると首を横に振った。そして、人差し指をたてた。 「1人ってことか?」  シュンが尋ねるとミーシャはコクンと頷いた。この二人のやり取りを見ていると言葉のわからない子供と話しているようだ。 「ミーシャだけにあって他の人にないものってなんだ?」  ミーシャは皆の前に左腕を出す。そこには、7年前にアエルがあげたブレスレットがある。どうやら、これのおかげだと言うことらしい。シュンもその答えになるほどと言う。 「ミーシャ、元気?」  アエルがブレスレットをつけたミーシャの左手を自らの手で包みながら目線を会わせて問う。ミーシャはコクンと頷いた。 「ミーシャ、声でない?」     
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