お化けの手 -Wi.Derata-

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 アエルが問うとミーシャは頑張って出そうとするが『かすれた音』しか出ていない。そして紙に何か書き始める。 「『7年も声出してないから退化したかも』!?」  ユリアが紙に書かれたことを読み上げ思わず大きな声を出す。 「そんなことある?!」 「いや、あっちだと一人だから...そりゃそうか...。」  ユリアが驚くのを横にシュンが納得している。たしかに陸にいれば言葉を発するのは何でもないことだが、1人水のなかでは言葉など発しないだろう。よっぽど独り言ばかり言わなければ。 「まあ、少しずつ...だね。」  アエルが呟くと、ミーシャは苦笑いをしてクシュッとくしゃみをした。濡れたままの体に夜は堪えた。 「あ、びしょ濡れのままだったね。タオルかなにか持ってくるわ。近いし。」 「じゃあ、私は服持ってくるよ!ハサミも持ってくるね!その髪邪魔でしょ?」  二人は小屋を後にした。残された男子たちは何をしようかと目を合わせている。しかし、何も思い付かなかったので色々聞くことにした。 「なあなあ、【黒の(グロジア)】のなかってどうなんだ?あっちって何かあるのか?あと、さっきの『落ちてるもの』ってなんだ?」  ノイリーは質問し、ミーシャは紙に書き始める。     
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