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「『真っ暗で何もない。昼と夜の区別もない。今日みたいに水面近くにいれば光は見えるけど。ちなみに落ちてものはゴミか骨。』って!おっかねぇこというなよ!」
骨と聞いてノイリーは震え上がった。流石のびびりっぷりである。
「ところで、ミーシャは苦しくなかったの?」
アエルは聞く。ミーシャはコクンと頷いた。これには3人ビックリした。人間は水のなかでは息ができないのが常識だからだ。
「これのおかげ?」
アエルはブレスレットを指差す。ミーシャは少し困った顔をしながらコクンと頷いた。やはり自分でもあまりよくわからないようだ。
「あっちは寒くない?」
アエルはミーシャの体を気遣うような言葉をかける。ミーシャ親指をたてた。それほどでもないようだ。
そのときガサガサと音がした。その音にびびったノイリーとシュンは肩をビクッとさせる。
「俺らちょっと...外見てくる...。ほら、いくぞ、ノイリー!ついてこい!」
「えー!」
ノイリーの首根っこを掴み小屋の外に出る。シュンはランタンを持っていった。そのため隙間からいくらか入る月明かりが室内を照らす。
「ミーシャ、僕ずっと君が忘れられなかった。良かった生きてて...。」
アエルはそういってミーシャを抱き締めた。またミーシャは「濡れちゃうよ」と言いたげにジタバタする。しかし、すぐに大人しくなり申し訳なさげにアエルの服を掴んだ。
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