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この5日間部屋の小屋内を少しうろつくくらいしか動いていないミーシャ。もう見るものもなく暇であった。少しでも外に出たいが、陸に上がったのがばれたらどうなるかなど前例がない。上がってきた輩は誰一人いないからだ。また落とされるかもしれないと思うと出ていく気は失せた。しかし、家族に会いたい気持ちは大きくなっていた。
「お父さん...傷ついてないかな...。」
【裁判】の日に冗談で言った「落ちるかも」が現実になるなんて誰も思わなかった。その事で父親が責められてないかが気がかりだった。
「真相は分からないけど、落ちきらなかったのはアエルがくれたブレスレットのおかげかな。」
7年たっても綺麗な青い石のチェーンブレスレット。ミーシャはこれがお守りなのだと考えている。ノイリーが記事にしようとしたが、情報源が極秘なので怪しまれあえなく却下を食らっていた。
「早く夕方にならないかな...」
そう思っていると自然とうつらうつら船をこぎ、そのままミーシャは寝入ってしまった。
「起きてー!」
ゴスッと眠っているミーシャの体に衝撃がくる。思わずうっとうめき声を一つ漏らすミーシャ。これには覚えがあった。
「な、ナグゥ...?」
そこには大きく成長したナグゥがいた。
「ネーネ!また会えたー!」
その奥から申し訳なさそうにユリアとハウワーが入ってきた。
「後ろにいると思わなくて...つれてきちゃった。」
「でも、ナグゥで良かった...」
ナグゥはミーシャに乗っかりながら泣きじゃくる。ミーシャはナグゥの重さでつぶれそうである。
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