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小屋を出て、茂みの中を歩く。衣装を置いている小屋の裏口を目指す。7年前に踊り子をしていたハウワーが場所をしっかりと覚えていた。ハウワーがそっとそのドアを開ける。中はシンとしており、まだ誰もいないようだ。ハウワーがそっとなかに入りそれに続いて二人も入る。幸いに建物には誰もいない。しかし、タッタッタッと遠くから足音が聞こえてくる。
「顔見られる前に出るよ。」
ハウワーがコソッと言う。そのときガチャリと表のドアが開く。
「あら?ハウワーじゃない。」
表のドアを開けたのは、今年踊り子をやるアミアだった。あの日からハウワーは気まずいため関わらないようにしており、今日の踊りも断っていた。
「何?今さら踊ろうっての?冗談じゃないわ。」
「い、いえ...その。今年どんな衣装か見たくて...。」
「あら、お友達も一緒?さっさと出ていってくれない?ここは神聖な踊りの衣装が置いてあるの。あんたたちみたいなクズがいるところじゃないのよ。それに...」
アミアはふふふと笑う。その笑みに全員がゾッとする。
「あの日から白い手の噂何もないわよね?ノイリーだかいうやつが記事にしないわけないスクープなのに。あんたら、何かしたんでしょ?もしかして、その白い手の主殺めちゃった?んふふ。」
「そ、そんなことしてません!失礼します!」
ハウワーは怒りに任せアミアをドンッと押し、後ろにいるユリアの手をつかんだ。それにつられ、ユリアもうしろのミーシャの手をつかむ。よろけたアミアをそのまま放って建物を後にした。
「あの人誰?」
「あんたは知らなくていい人!」
「あ、うん。」
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