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ミーシャは二人にアミアのことを問うがユリアが怒りを含ませながら強めに返答するので何も言えなくなってしまった。
建物から離れると、人通りはそこまで多くなく踊り子たちがローブを翻して歩いている。市場の露店街の人と思われる人も準備で走り回っている。
「もう少しで中央広場だよ。」
ユリアが呟いた。そのとき、目の前をある人物が通る。
「あら、ユリアちゃんとハウワーちゃんじゃない。」
今年も露店街に店を出すエリーさんだった。さすがにミーシャのいとこの母親に顔を見られては7年経っているとはいえ、ミーシャの存在が知られてしまう可能性がある。ユリアとハウワーは咄嗟にミーシャを背中で隠す。
「おはようございます。エリーさん。」
「皆ローブ羽織って、踊り子?」
「いえ、ちょっと肌寒いなーと思って...。」
「たしかに、今日は肌寒いわね~。風邪引かないようにね。」
エリーさんはお店の準備があるからと、その場から去っていった。
「いやー、危なかった...。」
「心臓飛び出るかと...。」
「私も息止まってた...。」
3人して生きた心地がしなかったようだ。
エリーと別れ、いつもの待ち合わせ場所へ向かう3人。今度は誰ともはち会わせずシュンたちに合流できた。
「おう、おはよう。遅いぞ。」
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