二章

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 あいつを置いて行って、代わりに俺ができるかといえばNO。女達も身分が高そうなこともあって、調理技術は絶望的だろう。女共は美味い美味いと飯を食いながらも、それを作っているあいつを追い出そうとしている。めでてぇ奴等だ。    結局、余裕のある俺があいつを守り、置き去りにされないように声をかける役目をしなければならなくなった。 「退け、のろま!」 「ボサっとするな、マヌケ!」 「邪魔だ、愚図!」  と、攻撃を受けそうなあいつを軽く蹴飛ばし、魔力を最小まで絞って吹き飛ばした。全ては飯のためだ。  だが、俺がどれだけ酷く扱おうとも、あいつはへらっと笑って嬉しそうに俺の機嫌を取ってくる。しかも終いには「ありがとうございます」と礼まで言ってきやがる。どうも気が削がれる。 「ねぇ、ハヤト。そろそろ本気であいつの事置いて行かない?」 「ハヤトが言えば、あの男も諦めるわ」 「これ以上ついてくるのは無理だろう。敵も一筋縄では行かなくなってきた」 「魔族も出てきたもんニャ」  確かに俺も疑問だった。いつ死ぬかもわからない状態にもかかわらず、なぜついてくるのか。報酬があるにしても、自殺行為だ。 「なんであんな必死なわけ?」 「それは、見ればわかるでしょう? あの格好」 「お金が必要なのよ。ハヤトと一緒に魔王を討伐したら、一生遊んで暮らせるお金がもらえるから、それを狙ってるんでしょ」 「そんな不純な動機で参加してるあいつに腹が立ってるんだよニャ」     
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