二章

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 回復を聖女が、魔法攻撃を王女が、後援を女獣人が、直接攻撃を女騎士が受け持った。俺は攻撃の手が途切れないように猛攻する。  魔法による攻撃に怯んだところで直接攻撃を仕掛け、魔王のHPを削る。  魔王が呻き声を上げて膝をつけば、俺は唯一勇者だけが使える光魔法で聖剣に光を宿した。  身体能力補正により、狙った所に確実に剣を落とせる。  俺は迷いもなく、魔王を斬った。    その黒い靄はまるで北国で見られるダイヤモンドダストのように散り、そして消滅した。    終わった。  思ったよりあっけなかった。こちらの被害はほぼないに等しい。  女共が抱きついてくるが、俺には何の感動もなかった。何も得ることのなかった旅にどう感動しろって?  この世界ともおさらば。最短距離を通って来たのだから思い入れなど全くない。  ステータス画面を開けてみたが、二つのスキルはまだ灰色の文字のままだった。早く黒くなれよ。報酬なんかもうどうでもいい。変わればこのまま帰るか。  そう思った時だった。 「勇者様!!」  タタタと駆け足と共にあいつが叫んだ。それは悲鳴にも聞こえた。  だが、俺が振り向いた時にはもう遅かった。  玉座の方から矢のように飛んできた黒く鋭い何かがベルネの薄い体を貫いた。その衝撃に体は支えを失い、ゆらりと力なく傾く。  考えるより先に体が動いた。     
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