二章

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二章

  ――バカらし。  中世の宗教画から出てきたような白い髭を生やしたジジイとそれに諂う数人の若い奴等が興奮に目の色を変えているのを眺めて、俺は思った。  俺が魔王を倒すために召喚された勇者なんだってよ。笑える。 「さてさて、ハヤト様。早速ですが、神から頂いたチートを教えて頂けませんか」 「はぁ? チート?」  どう考えても友好的ではない俺にジジイが話しかけてくる。空気を読む気はなさそうだ。  俺があからさまに怠そうに返事をすると、そいつらは顔を見合わせてざわついたが、白髭ジジイが咳一つでその場を治めた。 「そうでありましたか。ハヤト様はご存知ない方(・・・・・・)の勇者様なのですな。では、説明いたしましょう」  ジジイが言うにはステータス画面にギフトスキル所謂チートが載っているらしい。 「歴代の勇者様は『ステータスオープン』と唱えておられました」 「は?」  唱える? どんな罰ゲームだ。  ただ単にゲームのメニュー画面みたいなものを想像すりゃあいいんだろ。『想像する』という感覚が教えられなくとも自分の中にあるのが薄気味悪い。  ステータス画面を思い浮かべると、目の前に宙に浮いた透過ウィンドウが現れる。     
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