仕返し

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姫歌とりこと尚輝が立てたデート作戦は完成していた。 「廻裏さん、これ何~?」 りこの目の前に置かれた『五十鈴ちゃんへ』と書かれた手紙。 これも勿論小細工である。 ブクブクが激しくなるりこ。これはもう限界か...と姫歌が口を開く。 「あれよ、江良木が、五十鈴にって」 勿論嘘である。 普段、江良木の字を見ている尚輝が筆跡を真似て書いた偽の手紙である。 「え、江良木さんが五十鈴に?」 急に声のトーンが上がる五十鈴。 店が壊れるんじゃないか位暴れ狂った後、ふぅとカウンター席でメロンソーダを飲むとようやく開封してくれた、どこまでも厄介者だな。 五十鈴ちゃんへ 今度の土曜日、一緒に遊園地行かない? 江良木陽月より 「これ...」 泣きそうな顔で姫歌とりこの方、そしてカウンター席の向こうにいる尚輝を見る五十鈴。 「デートのお誘い?!ですよね!?」
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