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それから三ヶ月も経ってしまって、まだ告白できずにいる私。
「そろそろ一学期が終わっちゃうっていうのに……」
そう、そろそろ夏休み。その前に何とかしないといけないんだけど……。
そう思ってチラッと意中の相手が座っている席を見る。
其処には、お昼休みで皆と仲良さげに話している彼の姿があった。
クラスのムードメイカーである彼へ近づける隙さえ無さそうな感じだ。
ここは意を決して立ち上がるしかない! と席を立ち上がった瞬間に。
キーンコンカーンコーン。
無常にも昼休みの終わりを告げる鐘がなって、私は肩を落として席に着いた。
放課後。
今日も何のアクションが起こせずにここまできてしまい、私がうな垂れていると、
「山伽(やまとぎ)さん、大丈夫?」
私を呼ぶ声に顔を上げると、そこには彼の姿があった。
「うひゃい!」
私は突然のことに変な声をあげてしまった。
その声に彼はキョトンをした顔を一瞬したけど、すぐに笑う。
「なに、その声。面白い」
彼にくすくすと笑われた事実に私は顔が真っ赤になって、今にも火を噴きそうな感じだ。
「ごめん、いきなり植野君に声をかけられたものだからちょっとビックリして」
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