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私は頬が熱いのを必死に冷やそうと、両手で覆いながら話す。
「いや、最近山伽さんの元気が無いから大丈夫かなって思って」
そういうところを気にしてくれるというのが、何となく彼のムードメイカーである所以なんだろうなと思った。
ふと、心の中で、これはチャンスなのでは? と思った。
このチャンスを活かさない手は無い。
「あのさちょっと植野君に相談があるんだけど、いい?」
「ん? いいけど、何?」
私は教室を見回す。まだ数人教室に残っているので凄く本題を切り出しにくい。
「ここでは話しにくいから、中庭まで行こう」
「う、うん」
私の言葉にぎこちない返事を返す彼を連れて、教室を出て中庭へと向かう。
中庭は幸いなことにクラスメイトは誰も居なかった。私達は設置されているベンチへと腰掛ける。
私はいよいよ彼に思いをぶつける時が来てしまったかと思うと、心臓が張り裂けそうなくらいドキドキと跳ね上がる。
「大丈夫?」
植野君はそんな心境の私を心配してくれていた。
「だ、ダイジョウブ」
「すごく、言葉が片言だけど、本当に大丈夫?」
「……ダイジョウブ」
私はスーハーと大きく深呼吸を2、3回して、
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