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手を伸ばすと、触れる指先まで透明な碧に染まった。
しばらく見惚れていたけれど、店主の言いつけを思い出し、壜を持ち上げゆっくりと傾けた。成分が均等に混じるように、そっと注意深く。
光はしだいに薄れ、何事もなかったように静かに消えた。やがて壜の底が乳白色の光を宿したようにぽうっと明るみ、闇に沈んだ瑠璃色から菫色、木苺色、薄紅色と色を変えた。
夜明けが訪れたようだった。
目を凝らしていると、靄が晴れるように透き通ってきて、世界が見えてきた。
こうして物語が生まれる瞬間に立ち会ったのだった。
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