2 温泉旅行へ出発

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「もう来てたのか?早いな」 タケルが笑いながら言う。 その笑顔にオレの下半身は妙にざわつく。 昨日はドキドキしてほとんど眠れなかった。 ――って、オレってば遠足前のガキかよ。 タケルはドキドキしてねぇのかな? 見ると普通に涼しい顔をしている。 相変わらずキリッとした眉に切れ長の目。その鋭い瞳によく似合う少し長めの前髪が風に僅かになびく。 凛々しいよなぁ…。 整った顔立ちはしてるし、色気もあるんだけど、決して女みたいな感じじゃないんだよな。 やっぱり男なんだ。 だからオレは惚れたんだ。 しばしタケルに見惚れるオレ。 タケルはそんなオレを真っ直ぐ見つめ、口を開く。 「高支那たちは?」 「ま、まだ来てねぇよ」 タケルにドギマギしながらも、あんな奴らどうでもいいぜ――と、一人心の中で毒づく。
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