3 車内で妄想…

4/4
307人が本棚に入れています
本棚に追加
/170ページ
タケルと同じ部屋はオレだ! そう言葉を発しようにも、声が出ねー。 ここは恩田に…と助け舟を期待したが、恩田は苦笑するだけで何も言わなかった。 高支那の発言は絶対服従。 誰も逆らえない凄みがあるのだ。 けど、そんな高支那にタケルだけはいつも平気で突っ掛かるのに、この件に関しては文句を言わない。 まさか…タケルのヤツ、高支那の事――!? いや!んな事あるわけねー!!! …とは思いつつ、オレの妄想はどんどん膨らんでいく。 タケルと高支那が同じ部屋… 狭い畳の部屋に、所狭しと敷かれた二組の布団。 そこに2人きり…。 ふとした瞬間、2人は見つめ合い… 高支那がタケルを押し倒す… 「わあぁぁぁっ!!!」 ――あ、やばっ。 思わず絶叫し、頭を抱えたオレだったが… ――ここは車内だった。 タケルも恩田も、突然のオレの雄叫びにびっくりしたような顔をし… 高支那はオレをバカにしたように、微かな笑いを漏らしたのだった…。
/170ページ

最初のコメントを投稿しよう!