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タケルと同じ部屋はオレだ!
そう言葉を発しようにも、声が出ねー。
ここは恩田に…と助け舟を期待したが、恩田は苦笑するだけで何も言わなかった。
高支那の発言は絶対服従。
誰も逆らえない凄みがあるのだ。
けど、そんな高支那にタケルだけはいつも平気で突っ掛かるのに、この件に関しては文句を言わない。
まさか…タケルのヤツ、高支那の事――!?
いや!んな事あるわけねー!!!
…とは思いつつ、オレの妄想はどんどん膨らんでいく。
タケルと高支那が同じ部屋…
狭い畳の部屋に、所狭しと敷かれた二組の布団。
そこに2人きり…。
ふとした瞬間、2人は見つめ合い…
高支那がタケルを押し倒す…
「わあぁぁぁっ!!!」
――あ、やばっ。
思わず絶叫し、頭を抱えたオレだったが…
――ここは車内だった。
タケルも恩田も、突然のオレの雄叫びにびっくりしたような顔をし…
高支那はオレをバカにしたように、微かな笑いを漏らしたのだった…。
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