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長い板張りの廊下を歩いていると、まるでどこかのお屋敷に招かれたような感じだ。
歩く度にギシギシ音が鳴るところが、なんか不気味…。
部屋数はあまりなく、オレたちが案内されたところは、離れのようになっていた。
風が吹き抜ける廊下を渡った先にある建物だ。
オレはこの時思ったね。
この旅館はあまり流行ってねぇな、と。
夏休みだというのに、この閑散さ。
そのことを直接三影千早に聞けば、やはり泊まり客はオレたちだけだと言う。
まあ、こんな山奥までやって来るのは、招待券をもらった奴――つまり、オレたちぐらいなものかもしれねぇ。
招待券っていうのも、ひょとしたら客寄せのためか?
真夏だというのに、この地は少しひんやりとしていた。
そして――
部屋の前まで来ると、三影千早は高支那と恩田にそれぞれルームキーを渡した。
高支那とタケルの部屋は――幻の間(ゲンノマ)。
恩田とオレの部屋は――妖の間(ヨウノマ)。
なんつー奇妙なネーミングだ。
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