5 気をつけろ!

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――オレは今、恩田と「妖の間」にいる。 もちろん、すぐにタケルの部屋に向かうつもりだ。 ところが、オレはこの後、恩田の言葉に驚かされることになる。 「赤木くん」 いつもは穏和な笑み(オレから見たら危険な笑み)を見せる恩田が、なぜか真面目な顔をしている。 なんだ?と思っていたら… 「あの三影千早には気をつけた方がいいですね」 「えっ!?」 オレはびっくりした。 恩田の口からそんな言葉が出ようとは思ってもみなかったからだ。 「どういう事だよ?」 「彼…、鬼頭くんを執拗に目で追っていました」 「!!!」 恩田はオレが感じたこととまったく同じ事を言う。 何も気付いてないかと思ってたけど、ちゃんと見てるとこは見てんだな。 恩田――恐るべし! それは当然、恩田自身もタケルをずっと目で追ってたってことになるけどな…。 お互いタケルを想う者同士。 そこは手抜かりないって感じか? 「とにかく、鬼頭くんから目を離さないようにしましょう」 「おぅ!」 恩田の言葉に、オレは力強く頷いたのだった。
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