1 魅惑の招待券

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「あ・か・ぎ・くん」 教室の机にだらしなく伸びていたオレの背後から、不意に一人の女子が声をかけてきた。 オレはかったるく振り返る。 目の前に立つのは、早坂真奈。 同じクラスの生徒だ。 学校一と評判のアイドル顔美少女。 街で何回もスカウトされてるらしい。 けど… オレは早坂の顔を見つめながら思うんだ。 タケルの方がいいよなぁ…って。 ――って、オレってばこれじゃあホントに危ないヤツじゃん。 「なに?なんか用?」 オレは無愛想に返事する。 なんかさ、中学時代のオレは仲間命で、女子と話するってあんまりなかったんだよな。 だからなんていうか、どう話していいのかイマイチわかんねぇっていうか…。 でも早坂は男慣れしてるって感じで、オレみたいなヤツにも平気で近寄ってくる。 遠巻きに見ているクラスの連中とはえらい違うよな。 「あのさ…赤木くんにおいしい話を持って来たんだけどなぁ」 こういうのを男心をくすぐるっていうのか、早坂は可愛いく首を傾げ、甘えた声を出す。 まっ、オレには通用しねぇけどな。
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