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「なんだよ。おいしい話って?」
すると早坂は、ふいにクスッとあやしく笑った。
オレは一瞬ギクッとする。
女の笑顔ほど怖いものはねぇ。
「実はね…ほら」
言って、早坂がオレの前に差し出したのは、2枚の紙切れ。
よく見ると、何かの招待券のようだった。
「なんだこれ?」
「温泉宿の招待券よ」
「温泉…?」
いきなり何だ?と思ったけど、オレは咄嗟にこう考えた。
まさか早坂、オレを温泉に誘ってるのか?
でもあいにく、オレは女に興味ねーし。
「悪ィけど、オレ、女と温泉行く趣味ねーから」
ちょっとカッコつけて言ったんだけど、彼女はオレの戯言など聞いちゃいねーって感じで話を続ける。
それもとんでもないことを口にしたんだ。
「鬼頭先輩と行って来なさいよ」
「…………へっ!?」
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