1 魅惑の招待券

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「なんだよ。おいしい話って?」 すると早坂は、ふいにクスッとあやしく笑った。 オレは一瞬ギクッとする。 女の笑顔ほど怖いものはねぇ。 「実はね…ほら」 言って、早坂がオレの前に差し出したのは、2枚の紙切れ。 よく見ると、何かの招待券のようだった。 「なんだこれ?」 「温泉宿の招待券よ」 「温泉…?」 いきなり何だ?と思ったけど、オレは咄嗟にこう考えた。 まさか早坂、オレを温泉に誘ってるのか? でもあいにく、オレは女に興味ねーし。 「悪ィけど、オレ、女と温泉行く趣味ねーから」 ちょっとカッコつけて言ったんだけど、彼女はオレの戯言など聞いちゃいねーって感じで話を続ける。 それもとんでもないことを口にしたんだ。 「鬼頭先輩と行って来なさいよ」 「…………へっ!?」
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