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「メグ!まった!」
「なに?ナナ」
私は家庭科室前にいる集団の脇をまた通り過ぎようとしていたが、止められる。
「あの!初めまして。鏡奏太と言います。文化祭、一緒に見て回りませんか?」
そう問いかけてきた、男の子は確かにカッコイイ系だ。
しかも、照れて真っ赤な顔をしている。
こんなにカッコイイのに慣れてないのかな?
不思議な感じがした。
「私、こんな格好で目立つけど一緒でいいの?」
これは確実に目立つ。
彼もルックスがいいからきっと余計に。
そんな予測をして聞く。
「もちろん!とっても可愛いし、似合ってるよ」
その声は少し上ずっていて、とっても緊張しているのは表情からも明らか。
何だか少し可愛く思えてしまった。
「気にしないなら宣伝かねて歩き回るから、それで良ければどうぞ?」
そんな可愛くない返事を返すと、パァっと明るい笑顔になった彼に思わず笑ってしまった。
「皆は奏って呼ぶから、良かったら恵美ちゃんも奏って呼んで!」
何だか、大きなワンコみたいな彼に私はクスクス笑いながら答えた。
「ふふ、奏くんね!私のこともみんながメグって呼ぶからメグでいいよ」
こうして不思議な取り合わせで、校内二巡目に行く事になった。
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